熊本震災直後、wemakeユーザーのナカスタツヤさんが被災され車中泊を余儀なくされたという一報と共に、山田歩さん宛にwemake上で熊本震災プロジェクトが立ち上げられた。このプロジェクトは未完のまま終了したが、このプロジェクトから学べることがあったので、記録に残しておきたい。現場へ行くことはできなくても、何か出来ることをやりたい。被災地で困っている人がたくさんいる。車中泊を余儀なくされる方の心境、悩み、いやそれ以上の混沌とした問題が山積みだったと思う。そんな中でナカスタツヤさんの呼びかけに応じて熊本震災プロジェクトを立ち上げたwemake。「何か出来ることが無いか?」という疑問からこのプロジェクトは始まった。
車中泊を快適にするための湯たんぽというアイディアがあり、それを具現化する為の受け皿を作ったwemake。なかなかマスコミの報道だけでは見えてこない切実な問題。問題を傍観するのでなく主体的に行動を起こしたり、頭を使ってアイディアを練ったり、日本全国みんなが少なからず小さなアクションを起こせば、現実は変えられるかもしれない。一人だけの力では出来ないことも、みんなの英知を結集すれば問題を解決出来るかもしれない。そんな想いがwemake代表の山田さんにはあったのではないだろうか。これからの日本にとって最も必要な問題解決の為のプラットフォームを創り出そうとしていたのではないかと思う。We makeというネーミングからもそうあってほしい。
wemakeは、企画者、デザイナー、設計者、研究者、一般の方々がそれぞれ集まり、お互いの知恵を結集してアイディアを出すプラットフォームである。現状は大手メーカーから出されるお題に対してアイディアやコンセプトを提示する仕組みとなっている。僕は、さらにここから発展して、一人の当事者が抱えている問題を発見し、その問題を解決する為のアイディアやデザインを提案し、実現していく為のプラットフォームへと成長することを期待している。
wemakeの現状は【大手企業の悩み】を解決する為のプラットフォームである。大手企業の経営者や新規事業を担当する方がオープンプラットフォームを利用してアイディアを公募しプロジェクト化していく。そこには販売をすぐにしたいという【営利目的のプロジェクト】もあれば、10年先のライフスタイルや価値観にあったアイディアを公募する【未来思考型プロジェクト】などもあるが、基本は【ビジネスとして成り立たせたい】という思想がある。最終的には利潤追求型プロジェクトでありたいというメーカーからの依頼趣旨や意向があるはずだ。
一方で、熊本震災プロジェクトは他のプロジェクトとは異質であった。各個人が抱えている目の前の【問題を解決する為のプラットフォーム】というステージだったと考える。一人ではどうしようもなく、とてつもなく大きな問題。解決不能に見える問題にこそ焦点を当てて欲しいし、その一つの実験がナカスタツヤさんが提案したものだったと思う。熊本震災プロジェクトがそうであったように、問題解決の為のプロジェクトにはリソースや資金が必要だったが、その出資金や実際に実験を行う設備や人手が明らかに足りなかった点が反省点だと感じている。
実証実験は、現場にいる当事者リーダーと、大手企業がそれぞれのリソースを出し合い、実験を繰り返す為の環境と人が必要だろう。実験は実況中継され、wemakeユーザーみんなでブラッシュアップしていけるような、仕組み化が求められる。その為の軍資金をクラウドファウンディングや大手メーカーから出資を集め、プロジェクトの実証実験資金としたい。応援するファンと提案する登録ユーザーが主体的にプロジェクトを動かしていけるような支援が求められるだろう。
上図の上段がWenakeを図解したものだ。下図は熊本震災プロジェクトから見えてきた、問題点などを参考にしつつ、問題解決型プロジェクトをどううまく動かすか?を図解してみたものになる。メーカー主導型プロジェクトとは違い登録ユーザー自らが抱える問題を発見し共有しながら、その問題解決を支援するメーカー、運営者。登録ユーザーどうしで解決となるアイディアを模索し、企画を立てる。計画はメーカーやクラウドファウンディングなどで資金調達を行い、実際に企画デザイン設計まで行い、試作や実証実験を繰り返す。
このようにして、プロジェクトを動かしていくような仕組み化が出来れば、社会問題や個人の問題など、今まで焦点が当てられてこなった問題を解決していく為のプロジェクトを動かしていけるようになるのではないだろうか。
みなさんはどう考えますか?
図解の1つにイラストレーションがあります。図像と呼ばれます。このイラストレーションという図解は大変面白い図解です。自分の想像力を最大限に働かせて、イメージを広げて絵を制限や制約に縛られず、描いていきます。どこまで想像を飛ばせるか、妄想できるかによって、アウトプットの質が決まるといっても良いでしょう。イラストレーションによって、思い描いたプロジェクトの理想像を描ききること。デザイナーとして想像力が発揮される場面は、ここにあります。描けないことも多いですが、描き切れた時は、そのプロジェクトは成功する確率が上がります。
■超アマチュアのイラストレーション
子供がポケモンのイラストレーションを描いてくれました。突然です。今まで描いたことが全くないモンスター達をその特徴をズバリ掴んで、色と形でそのモンスターっぽさを表現する。らしさを認識して、記号化する。それをいとも簡単にやり遂げる子供の想起力、想像力、描写力はいったいどこから来るのでしょうか?
■イラストを描く子供の動機とは?
上の絵は、末っ子がはじめに描いた絵です。たまたまテレビでポケモンがやっていたそうです。それを見た後に、イワークを描き始めたそうです。すごーい!すごいね~!とママに褒められた末っ子。それをみていた姉が私もママに褒められたいという気持ちで、描いたのが上の絵です。お互いに私も僕も!とママを驚かせたい。褒められたい一心で、モンスターを描きまくったわけです。すごいですね。
ママのうわぁ!凄い!可愛いね〜!と褒められてる末っ子に触発されて、姉も、私も私も!描けるんだよ!どう?可愛いでしょ?といわんばかりに、兄弟同士で、イラストレーション大会が繰り広げられていたということです。
今回は図解の中の図像=イラストレーションについて子供の絵を導入にして、まとめてみます。子供の想像力のモチベーションはどこからくるんでしょうか?毎日進化していく絵を描くモチベーションはやっぱりママに褒められたい、パパにプレゼントしたい、嬉しそうな顔を見たい、という【気持ち】に潜んでいるんですね。子供から毎日教えられてます。誰かに届けたいという【気持ち】から発するイラストというのは、とても魅力的であって、輝いて見えます。僕もプロとしてデザイナー10年になりますが、子供の想像力には本当に驚かされます。子供達からクリエイティブ・エネルギーを貰っています。
■人に伝えるイラストレーション
完成イメージをプロジェクトメンバーで共有する時には必須の図解資料となるのがイラストレーションです。商品の完成イメージとか、利用シーンとか、どんな機能があるとか、説明する時にはイラストが最も分かりやすい図解となります。発想の起点となる部分でも、文章だけで発想する場合と、イラストを活用して発想する場合とでは、出てくるアウトプットのイメージの鮮明さが変わってくるように思います。 パっと見て商品や製品の全体像が理解出来る強力な武器がイラストレーションといえるでしょう。そしてこのイラストの中には初期のアイディアスケッチやラフスケッチなども含まれます。それはまた別稿で紹介させて頂こうと思います。
■モノを作る為のイラストレーション
特に外観イメージだけでなく、質感や加工方法などについても、イラストレーションに説明書きを追記していくことになります。2次加工の仕様図についても同様ですね。造形物のどの部分に塗装が載るのか、見切り部分はどのラインなのか、誰が見ても一目で分かる、そういう図解を心がける必要があります。 上の図解はROXのデザインモック用の指示書になります。この仕様書を試作業者さんが見てモックが完成していくんですね。仕様書に使われるイラストは既にモデルデータがあればCAD図面化したものを使用したり、キャプチャーを撮影して図示したりして使用します。
■ラベリングの為のイラストレーション
純粋に何かラベリングされてるものに対して、そのラベルのイメージを図解する方法もあります。職業のイメージをイラストにしたり、日々の子供の行動をイラストにするといったものです。僕の場合は給料&職業図鑑に幾つかイラストを掲載頂いた経験がありますが、文字情報の中にイラストがあると、その書籍を手にとって読んでもらったり、ブログを読んでもらったりする時の、情報のアイキャッチにもなります。ラベリングされたものを強調して表現したりしてみる、少しズラしてみたりしているのが給料BANKさんのイラストだったりします。ちなみに、上のイラストレーションは高速料金所のスタッフの特徴を示したものになります。
給料BANK 高速料金所スタッフ
http://kyuryobank.com/other/kosoku.html
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