【マイプロ工房】マイプロジェクトとマイコミュニティを複数持つこと

僕は企業に正社員として勤めながらインハウスデザイナーをしているわけですが、それと同時にいくつものプロジェクトやコミュニティに参加したりしています。なぜ参加しているかといえば、純粋に面白いからですね。それと予測としてですが、今後、僕たちは自分ごとをプロジェクト化して進めていける生態系となるようなコミュニティを複数持つことになるのではないかと考えているからでもあります。僕の場合は、以下のようなプロジェクトが進行中で、ネットを通じたサロンやコミュニティ、オープンプラットフォームなどにも参加しています。すぐには芽が出ないかもしれないけど、小さなことでも提案し、アクションしていけば、同じような考えを持っている人たちの役に立つようなアイディアやデザインを提供していけるのではないかと考えて、複数のコミュニティーに入って、共創しています。人と人がつながり、大きな輪になり、お互い影響を与えながら、切磋琢磨しつつ、何かの問題なり、課題なり、テーマなりに、一緒に取り組んでいくようなプラットフォームが今まさにあらゆるところで産声をあげているような気がしています。

 

 

 

1.ROXプロジェクト

クリエイティブコミュニケーションロボットの企画開発プロジェクト。富士ゼロックスさんの新規事業として去年Wemakeで選ばれたコンセプトを価値検証からモックアップ製作、駆動試作まで行なっているプロジェクトです。僕はデザイナーとして微力ながら参加しています。プロジェクトリーダーである大川さんが発足した大手企業の横のつながりによるオープンイノベーションプラットフォームであるoneJapanでもプロジェクトが繋がり始めています。あらゆる社会問題を解決するためにCollective Imapctを起こすことをミッションとしているOneJapanの代表作品として、創造性を発揮するためのコミュニケーションロボットをなんとしても実現したいと考えています。日本人は創造力や発想力が海外に比べると弱いという印象がありますが、そうではないと考えています。縦割り社会に亀裂を入れて、横のつながりにより、革新的なアイディアやデザインを次々に産み出す為に、このロボットが大活躍してくれることでしょう。

 

 

 

2.虹色パラシュート

個人的な問題解決の為のプロジェクト。発達凹凸のある子供とのコミュニケーションの問題を具体的なアイデアを出し合いながら解決して行くために発足。友人のアイディアシェアにてアイディアを公募。最近の気づきとしては、発達障害という言葉自体が認知され始めてきているが、発達障害と診断されないグレーゾーンにも焦点を当てていくともっと面白い取り組みにつながりそうだと考えています。健常者と障害者の境界が融解して、誰もが凹凸を認め合い、特異分野を活かした生き方をしていける世の中を創っていくことをミッションにしています。


3. SKD(Social Kids Design)

子供の想像力や経験を育む為のデザインとはなんだろう?という問いから実験的に考察を始めたプロジェクト。まだ構想中ですが、子供達が将来、自ら考え、行動し、前向きなライフデザインを描けるように願いを込めています。創造性を促進する教育方法やツールの提案から開発、大人が子供と向き合う為のコミュニケーションデザイン、子供が安心して暮らせる社会システムを、デザインの力でよりよくしていくことを目的にしています。僕とっては子供達が毎日楽しくワクワクを忘れず、暮らせるよう、SKDを通じて二人称のデザインに取り組んでいきたいと考えて、このプロジェクトを発足します。

 

 

4.シゴトサロン

友人Readmasterさんが主催しているサロンに招待され、サロン内で遊ばせてもらっています。シゴトを0から1にステップアップする為の知見の共有や、実際に取り組んでいることなどを紹介し合い、サロン内で何か新しいシゴトにつながるきっかけとなる動きをしていきたいと考えているところです。自分の内側から出てくる問いかけや、やりたい事をキャンバスに描きながら、同じように何か始めようと思っている人達と切磋琢磨していけたらと考えています。

 

 

5.WEMAKE

モノ作りの民主化をコンセプトにしたオープンプラットフォーム。A(エース)が主催運営。ネット上でアイディアやコンセプトを投稿出来、 WEMAKE登録者同士でチームを組んだり、メーカーとのコラボレーションにより、イノベーティブなアイディアやデザインを産み出すことを目的としている。ごく一般的なデザインコンペとは違い、大手メーカーにもメンターが付き、投稿者とメンター、登録者と共にディスカッションを重ねて、アイディアをより良いモノにブラッシュアップしていくというユニークなプロセスが特徴。makepointというプロジェクトへの貢献度によって支払われるPoint制度も特徴の一つ。現在takebonのMakepointは約3000Point。おそらく上位に入っているはず…。このプラットフォームやアイディアを考えることが好きな人や、モノ作りの議論をしたい人にはうってつけのプラットフォーム。毎回プロジェクトごとに学びがあるし、横のつながりも出来やすいので、なるべく公募されたプロジェクトは参加することにしています。

 

 

6. Innovation Cloud

博報堂が主催するイノベーションアイディアプラットフォーム。大手メーカーから出されるお題に登録者が800文字程度の文章でアイディアを提案するというスタイル。僕はデザイナーなので、イメージ優先になりがちなところがありますが、このイノベーションクラウド上では、文字のみで意図を伝える必要があり、毎回四苦八苦しながら、アイディアをひねりだしています。アイディアの特徴やウリを要領を得た回答として、第三者へ伝えなければならず、言葉を組み立てる訓練にもなります。参加したお題に対するアイディアは10案以上考えることで、言葉とイメージを繋げるトレーニング材料としてとても良いプラットフォームです。

 

 

7.Coconala

CoconalaやLancersなどでも活動しています。coconalaでは、ファンになってくれた方は26人。ありがたいことです。出品数は14件。実績は58件。評価数は43件。ランクはマスター2。coconalaでは中堅どころといったポジションだと思いますが、毎回学びがあり、本業にも良い影響を与えてくれています。視覚表現の研究を実践する場として格好のプラットフォームになっています。ロゴマーク、イラスト、プロダクト、アイディア提案など、デザインを主軸としている僕にとっては欠かせないプラットフォームの一つになりつつあります。

 

     

8.Lancers

lancersでは、実績は未だ2件止まりです。1件はロゴマーク。IDXというロゴマークが採用になっています。Lancers×カブク×本田技研のコラボレーション企画で一件コンセプトカーのデザインが採用となっています。Lancersはたまに面白い企画があるので、見逃さずチェックしているような状況です。

 

 

 

9.今後登場するであろうコミュニティとは?

同時的に共働出来る開発プラットフォームが数多く登場してくることになるでしょう。プランニングからコンセプトメイク、アイディア展開、デザイン展開、デザイン戦略、販売企画、広告計画など。一つの企業に所属して、その企業内で完結できるようなプロジェクトではなく、企業や組織に囚われずに、有志が集まって、お互いの特異分野を持ち寄って、一つのプロジェクトチームを組んで、問題解決に当たる。そんな生態系が生まれてくるのではないかと予測しています。そんな生態系の中で、デザイナーの役割は、プロジェクトの共通認識となるコアなイメージを鮮明化し、あらゆる情報とアイディアを編集統合化して、一つの道筋を立てて、行動に移していく。そんな役回りをすることになると考えています。企画編集戦略家=デザイナーだと思っています。

 

 

プロジェクトの対象となる事柄ももっと身近な所から発生していきます。金銭的な利益獲得のためのモデルではなく、人の役に立つ貢献型モデルにシフトしていきます。子供がいる家庭であれば、子供の成長段階によって発生する問題や悩みなどを共有する小さなコミュニティが地域ごと、学区ごと、町ごとに創られます。ネットによって誰とでも繋がるコミュニティではなく、リアルに小さく繋がるコミュニティがあらゆる所に点在しているイメージです。今まで当事者は悩みがあっても相談出来ない事が多く、役所や企業の相談窓口はありますが、なかなかピンポイントで相談解決出来るような窓口ではありませんでした。そこで、当事者同士がお互いに相談し合い、悩みを共有し、そこにあらゆる専門家が集まる。そんな生態系が生まれてくることになるでしょう。