CEATEC2016デビューHONDA MC-βのコンセプトデザイン提案について

今回CEATECに出展が決まった自分の中では、大きな大きなプロジェクト。この機会を頂いたカブクの横井さん、ランサーズの西藤さん、庄田さんには感謝しきれません!コンセプトカーをデザインすることは長年の夢でしたが、こんな形で実現するなんて、本当に夢のまた夢です。プレスリリースの記事でもデザイナー総勢10名の方の中より私のデザインをトップに持ってきて掲載頂けたことは大変光栄なことです。大手メーカーが進めるオープンイノベーションの波に乗って、自分をブラッシュアップしながら、さらに進化していきたいです。改めて気が引き締まりました! 

 

■移動式販売モデルカーとしてのアイディア

本プロジェクトは、ROXプロジェクトに引き続き、オープンイノベーションプロジェクト第二弾です!出展用のデザイン案については、企画アイディア段階から関わらせていただき、私の提案した後部ユニットの着脱式アイディアを評価して頂き、最終案でもそのアイディアを具現化する形となっています。 なぜ着脱式なのか。これは移動式の屋台というテーマを頂いた際に、どうしてもネックになってくるのが、汎用的なスタイリングコンセプトカーデザインの中にも、具体的なコンテンツとして、屋台が含まれてくるということです。抽象と具象の合いの子みたいなイメージですね。それでいて、地域の特色を全面に打ち出していくスタイリングにまとめていかなければいけない。 

 

■古民家のようなクルマ

ヒントにしたのは古民家です。古き良き伝統や文化をこよなく愛し、時代性や建物の歴史を重んじる鎌倉のイメージから、古い中にも現代の時代性を取り入れて若者に人気の古民家カフェ。このイメージが移動式屋台とマッチするのではないかという仮説の元スケッチを進め、出来上がったコンセプトです。また屋台というと古き良き移動屋台もありますが、鎌倉の景観の中に溶け込み、誰もがハッと足を止めて近寄ってくるような先進性のあるデザインにもしたいと考えていました。そこで、全体の外観スタイリングは古民家をイメージしつつも、屋台の外観とインテリアについては男前インテリアなどのイメージを参考にしながら、ブラックと木製パネルのコントラストによって、今までにないコンセプトカーを実現しました。インテリア照明に使われるような照明を後部に持ってくることでアイキャッチにもなり、夜の屋台としても機能することが可能になります。 

 

■今後は?

今回のプロジェクトはとても刺激的で良い経験になりました。実現性については現時点では考慮に入れていませんが、着脱する機構や安全性など考慮しながら、さらにモデルを詰めてブラッシュアップしていけば、実現不可能ではないはずです。CEATECでの評判によっては今後ステップアップしてモック製作などが出来たら、最高だと考えていますが、こればかりはメーカーさんの意向に沿うしかありませんので、良い方向に進んでいけると良いなぁと。カブクの横井さんが不眠不休で仕上げたコンセプトモデルも素晴らしいです。是非とも明日拝見させて頂き、3Dプリンターの可能性を探ると共に、勉強させて頂き、出来ることはすべて吸収して帰ってきたいと思っています。 

 

■オープンイノベーション市場に求められるのはデザイン力

ROXとMC-β改モデル、どちらも共通して評価を受けているのが、スタイリングデザインだと感じています。今まで養ってきたスキルを活かしたモノづくりをしていきたい!という想いの元、オープンイノベーションという新たな価値を生み出すステージでどこまで自分のデザイン力が通用するのか、この一年はいろいろなプロジェクトに出品提案しながら、試してきましたが、一定の成果はあげられたかなぁと思っています。目の前にあるチャンスをものにして、確実にステップアップしていけたら良いなぁと思っています。 

 

■まとめ

 

まだまだ、ひよっこです。恩師からはある環境にいる限りは、お前はデザイナーでは無いという言葉も頂いたこともありました。真摯に受け止めつつも、何かしなければいけないという焦燥感にかられながら、少しずつ前に進んでいる状況です。自分の得意分野の技を磨きあげて、誰にも真似できない、自分だけの独自の表現方法なり、伝達手段なり、発想法を作り上げていきたいと考えています。まだまだ発展途上にある自分ですが、これからも地道に頑張って行きたいと思いますので、みなさんよろしくお願いします!