デザイナーは見栄えだけを考えているのか?

デザイナーはカタチや見栄えだけを考えているのでしょうか?
勿論、造形へのこだわりや、プレゼンテーションの資料を
より良く魅せる為の工夫はスキルの一つだと考えていますが、
それだけではありません。

今回、富士ゼロックスさんとwemake様と協創してきた
経緯を
全て知っている人にはわかってもらえるんじゃないかと思います。
単に可愛いスタイリングだけを考えてきたわけではありません。
富士ゼロックスさんの持っているノウハウを調査し、

どんなシーンでROXを利用するのが効果的なのか、

wemakeユーザー、wemake運営者、富士ゼロックスメンターさんと一緒に考え抜いてきました。

デザインという言葉に勘違いが横行しています。
デザイン=カタチを作り出す
だけでは足りないのです。

僕は今回のコンペでスタイリングデザインだけを提案したわけではありません。
そのカタチにすることでどんな役割を担うのか、
機能や性能も含めて考え抜いてきました。

アイディアを提案すると、提案内容に対して責任が伴うと考えています。
本当にそれ、実現出来るの?
デザイナーは夢物語を語ることもしますが、
それだけではありません。
具現化するための道のりも一緒に考えていきます。

モノづくりというのは、一つ進むごとに、必ず課題や問題が生じます。
その回答と解答を考え抜いて緻密に設計していくことが最も大切なことだと考えています。

絵に描いた餅だけでは全く意味がありません。
僕が常に教科書にしている図があります。

デザイン力=発想+表現+伝達

この考え方は川崎和男氏が提唱しています。※1

 

そこにアレンジを加えました。
発想×表現=描写
絵に描く力=スケッチ
ということになります。
如何に手描きのスケッチで発想を伸ばし、
自分の意図を表現するか。
発想×伝達=編集
自分の発想を伝えるためには、
アイディアを編集することが必要です。
物語化すること。
伝達×表現=プレゼンテーション
自分の表現したものを伝えるためには、
プレゼンテーションをすることが必要です。
聴取を自分の考えているのか世界に引き込む力を
どのように養うかが重要。
このどれかが欠けたら、デザインは成り立ちません。
発想、表現、伝達は三位一体なのです。
こういったことを日々鍛錬しているのが本物のデザイナーだと考えています。
だから、単に絵が綺麗、綺麗な動画を作るということ
だけだと思われると、間違いなわけです。

※1 参考文献

 川崎和男「プレゼンテーションの極意」

 第一章「三位一体の発想・表現・伝達」参照